1年ぶりくらいでしょうか、オンリストしました。
滋賀の畑酒造さんの大治郎の純米吟醸生酒~迷酒(まよいみず)~です。
地元・滋賀県八日市の契約農家で有機栽培された山田錦(55%精米)に14号酵母を使って醸しだされるお酒です。山田錦と14号酵母に軟水(鈴鹿山系の伏流水)の仕込み水。なんというか、とても素直というか、奇をてらわない組み合わせです。
その味わいも生原酒ということもあり、程よい果実味の吟醸香にとても力強いがっしりとした骨格の旨味の後にかすかな苦味と麹香、そして「キレ」を演出してくれる控えめながらいい仕事をする酸。
山田錦のポテンシャルをフルに引き出し、そこで生じる後味のしつこさや甘ったるさを14号酵母のやさしいくバランスのいい酸が「キレ」を感じさせてくれるという具合です。しかし、実際はしっかりと酸ものっているのでそれが余韻としてふわりと口の中で芳香します。
大治郎の、特に純吟生は、がっつり生原酒の飲みごたえある酒という印象が強かった中、今回の入荷ロットは特に全体のバランスが素晴らしく、改めてレベルの高さを感じました。
大治郎の旨味と合わせて食べるなら「朴葉味噌焼き」や「鴨ロース煮」、より香りとシャープさを感じるなら「にしん茄子」や「鯛のあら炊き」なんかもいいですね。
しかし、本当に滋賀の日本酒のレベルは全国でもトップレベルではないかと思っています。
個々の蔵はもちろん、全体的なレベルも非常に高いです。滋賀は気候的にも米造りに適していて、山田錦や地元固有の玉栄や吟吹雪、短稈渡船(渡船2号)など、畑酒造さんはもちろんどの蔵も滋賀産の米を使った酒造りを行っています。今盛んに言われる「テロワール」とうい概念を、ごく自然に当たり前の形として実践しているという部分でも、非常に個性的で無二の「滋賀酒」を生み出しています。
これからも滋賀のお酒の魅力をたくさんお伝えしていきます!